やめたい「悪習慣」は難しくする

あなたは今、身につけたい習慣はありますか?やめたいと思う習慣はありますか?

自分をコントロールして、スマホやテレビを見る時間を減らし、学習や運動の時間を増やしたいと思っていませんか?

今回は、前回の“理想の自分”を描くことが難しい。という方にもっと簡単な習慣を身につけるための方法をジェイムズ・クリアー著『Atomic Habits』を参考にして「自制心」をキーワードに書きたいと思います。

 

■ “自制”できる人は“自制心を使わない”!?

 まず、自制心とは、誘惑に逆らい、自分の意思で望ましい行動を選ぶ力のことです。

そこで早速ですが、ある研究の話からします。アイルランドの研究では、オピオイド依存者109人が6週間の入院治療を受けたにも関わらず、91%が退院後に再使用したと報告されています(Smyth et al.,2010)。この報告からわかることは、どれだけ治療をして麻薬を断つ生活を行っても、麻薬を使用していた環境に戻されることで再び手を伸ばしてしまうということです。つまり、「意志力」だけでは、環境や習慣には抗えないという事がわかります。

 では、自制心が強い人はどのようにして、環境や習慣に立ち向かっているのでしょうか?

実は、「自制心がある」人は、意志力や自制心が“いらない”ように、生活を設計することに長けていることが分かっているのです。では、具体的にどうしたらいいのかを紹介します。

 

■ 悪習慣を難しくする

 今回は、例として「学習中にスマホが気になる」という事例を挙げて説明します。

前回のブログでもお話した通り習慣には「きっかけ」がある。今回の例だと「スマホの通知がなる」です。という事はこのきっかけをどうにかしないといけないのです。

ある実験によると、中毒患者にコカインの写真をたった0.033秒見せただけで、脳内の報酬系が刺激され、欲求が生じたという報告があります。たった一瞬の出来事でも脳は「欲しい」と感じてしまうのです。ではどうしたらいいか、結論は、「難しくする」ことにあります。

「学習中にスマホが気になる」という事は、「通知がなる」状況であることや「すぐ手に取れる」状況にあることをなくすことが大切ということです。この状況を「難しくする」ために考えられることは、「学習を始める前にスマホを別の部屋に移す」ことが「難しくする」ことでしょう。

これは、私自身もよくやることで、学習や仕事を始めるときはタイマーをセットして別の部屋に置いておきます。その時には、機内モードにしておけば通知はなりません。この簡単な行動で人間の脳は自制心を使わずに悪習慣を断つことができるのです。

 

■最後に

 今回も読んでいただきありがとうございます。週間を断つことはできても、忘れることはなかなかできません。ですので、なるべく悪習慣を断つために「悪習慣を難しくする」ことを考えると簡単に悪習慣を断つことができるかもしれません。

私自身も、環境を少し変えるだけで大きな変化が起きることを実感しています。悪習慣を断ち切るのに、強い意志は必要ありません。必要なのは「仕組み」です。

まずは、あなたの1番やめたいことを“少し難しく”してみてください。きっと、新しい自分に近づく1歩になるはずです。

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